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先週の説教より

「心の武装をしなさい」ペトロの手紙(一)4章1-6節(3/19説教)

 1節に「キリストは肉に苦しみをお受けになったのですから~」とあります。「肉に苦しみを受ける」とは、直訳では「肉」(サルクス)のあり方において苦しみを受けるということです。「肉」は自分中心に生きようとするのです。その肉の「自分中心」(気ままさ)と戦うのです。それが「肉に苦しみ受ける」ということです。主イエスは十字架の苦しみをお受けになりました。その時、肉は主イエスを虚無と絶望へと誘うのです。しかし主イエスは、その苦しみの中で虚無と絶望への誘惑に屈せず、どこまでも父なる神の助けを信じ、人々への愛を守り抜き、それによって罪の贖いと死者からの復活を実現してくださったのです。

 信仰者はその主イエスの「肉の苦しみ」を知っているのだから「同じ心構えで武装をしなさい」(1節b)と言われるのです。私たちも主イエスと同じように罪と戦えと言うのではありません。私たちは主イエスと同じように罪と戦うことは不可能です。私たちができることは、十字架の苦しみに勝利し、復活の命を現わし、今も深い愛と赦しの中で私たちを助けてくださる主イエスを覚えることです。その主イエスの十字架と復活の恵みに基づく聖霊によるご臨在の助けに頼りながら、「肉の誘惑」と戦うのです。

 「肉に苦しみを受けた者は、罪とのかかわりを絶った者なのです」(1節c)とあります。私たちが「肉の誘惑」の中で主の助けを求める時、主は死人をよみがえらせる復活の命をもって私たちを助けてくださいます。それによって私たちは「罪とのかかわりを断つ」ことができるのです。「好色、情欲、泥酔、酒宴、暴飲、~偶像礼拝」(3節)こそ「肉の誘惑」です。そのただ中で十字架と復活の主の聖霊によるご臨在の恵みに頼るのです。十字架と復活と聖霊の主に頼ることにおいて「心の武装」をし、罪と戦う生活をするのです。

牧師 柏木英雄