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先週の説教より

「思い煩うのはやめなさい」フィリピの信徒への手紙4章2-7節(7/17説教)

 5節後半に「主はすぐ近くにおられます」とあります。これは詩編145編18~19節の「主を呼ぶ人すべてに近くいまし、まことをもって呼ぶ人すべてに近くいまし、主を畏れる人々の望みをかなえ、叫びを聞いて救ってくださる」という御言葉を踏まえた御言葉と考えられます。私たちは、主キリストは私たちから遠く離れ、私たちの祈りを聞いてくださらないように考えがちです。しかし、主キリストは常に私たちのすぐ近くにいまし、私たちが呼べばご臨在の恵み(インマヌエル)をもって答えてくださるところにおられ、常に私たちの祈りを待っていてくださるのです。

 6~7節に「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう」とあります。「思い煩い」(メリムナ)とは、私たちの心が部分(メロス)部分に別れ、ああでもないこうでもないと果てしなく思い考え続けることです。心に真の統一がないからです。

 その果てしない「思い煩い」のただ中で、主を求めるのです。主が私の心の中心に来てくださることを祈るのです。その祈りに主は答えてくださるのです。主が私の祈りに答えて私の心の中心に主としてご臨在くださる時、様々に分裂していた私の心が主によって一つに統合されるのです。ちょうど散りじりになっていた羊たちが羊飼いのもとに集まって一つの群れとなるように。その時、私たちは「あらゆる人知を超える神の平和」が私たちの心を「キリスト・イエスによって守って」くださることを感謝と喜びの内に知るのです。

牧師 柏木英雄