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先週の説教より

「契約の血である」  マルコによる福音書14章22-26節(9/26説教)

 主イエスは弟子たちとの最後の過越の食事の席で、パンを取り「これはわたしの体である」、杯を取り「これは、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である」と言って、「聖餐」の儀式(サクラメント)を弟子たちに示されました。それによって主イエスは、これからご自身が受ける受難(十字架と復活の出来事)がすべての人間の罪の贖いと救いのためであり、神と人間の間に「新しい契約」(ルカ22章20節)を結ぶことであることを弟子たちに教えようとされたのです。

 「新しい契約」とは、モーセによって結ばれた律法に基づく「古い契約」を主イエスが十字架の死を通して完成し、それによって古い契約を廃棄し、代わりに神と人間の間に新しい、永遠に廃棄されることのない(なぜなら主が担っていてくださるから)契約を結んでくださった、その契約のことです。

 主イエスはどのようにして古い契約を完成し、廃棄し、新しい契約を結んでくださったのでしょうか。それは主イエスが十字架の死を真実に全うされることによってです。人々は主イエスを神を冒涜する人間(偽メシア)として断罪し十字架につけました。その人々の暴虐を主イエスは「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです」(ルカ23章34節)と執り成し祈りつつ受け入れ、そのようにして十字架の死を全うされたのです。この主イエスの十字架の死に至るまでの真実(信仰と愛)によって律法が成就され、古い契約は完成され、それと共に廃棄され、今やまったく新しい、永遠に廃棄されることのない契約を主イエスは神と人間の間に結んでくださったのです。

 主イエスは、これから起こるご自身の受難(十字架と復活の出来事)がそのような意味を持つ出来事であることを弟子たちに明らかにするために、最後の過越の食事の席で「聖餐」の儀式をお定めになったのです。

牧師 柏木英雄